mimiのチャイ旅 ♯1 / 吉池浩美
私が初めてネパールを訪れたのは、今から30年ほど前。当時中学生の私は、学校や環境に馴染めず、不登校の毎日を送っていました。
そんな私を見かねて、両親はもっと見る世界を広げてほしいという気持ちで、親戚のいるネパールに私を送りだしました。
そこには村の生活があり、決して豊かとはいえない環境の中、温かな人々や素直な子供たちの眼差しに触れ、そこで振る舞われたチャイに感銘を受け、誰かが温かくなるようなお店をいつか持ちたいと決めたのでした。
そこから30年。
私の生活の中には紅茶とアジアへの旅が常にあります。
短大を卒業し、10年ほど藤沢の紅茶専門店で修行しました。
独立し、お店を持ってからもそれは続き、とうとう昨年の6月に13年続けてきたお店を一旦クローズして、原点であるネパールで今、生活をしています。
私が30年前に教えてもらったチャイ。そこから自分なりに作り続けてきたチャイを、今度は現地の人に振る舞いたくて。
それがネパールの人たちに受け入れられているのか、どう映っているのかはわかりませんが、体当たりでコミュニケーションをとりながらチャイを淹れ続けています。
そして日本に帰国したら、この国のチャイ文化をみなさんにまたお伝えできる場所を持ちたいな、と思っています。
そんな私の旅、現地での生活のことを、これから追い追いにご紹介していきたいと思います。
吉池浩美
1974年 長野県生まれ。
中学生の時に訪れたネパールでチャイに出会う。
1995年〜2005年まで紅茶研究家・磯淵 毅に従事しながら、様々なアジアの国々を訪れる。2005年〜2018年まで鎌倉・『mimi lotus』を経営。
現在は一旦店をクローズし、原点であるネパールに滞在しながら、現地の人々にチャイを振る舞う毎日を送っている。