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Body Journey〜からだつれづれ ♯2 / つるやももこ

編集室Blog。日々の出来事と共に、からだに関する考察や情報を綴ります。

自意識の脱皮

「よわい40を過ぎたら、急に何を着ていいかわからなくなった」

若かりし頃から今まで、言葉は多少違えど、40代の人生の諸先輩方から幾度となくこの言葉を聞いてきた。まさか、自分にその日が来るとは…。
というのも、ここ数日クローゼットを開けるたびに、なんだか違和感を感じて仕方がなく、結局手に取るのはだいたい決まった服ばかり。
これは、丈の短いスカートが厳しくなってきた云々の、持っているアイテムが年齢に見合わなくなった、という単純なことではなく、なんだかそれを着る気になれないというか、着てみても似合わないなあと思ってしまう…。そう、ときめかない。今、わたしの隣に “こんまり” がいたら、きっと、クローゼットの端からばんばんゴミ袋に放り込むことになりそうだ。

いつか読んだ本に、からだに纏う服は第2の皮膚。だから、たとえば最近気になる服の色というものがあるなら、それは今のその人にとって必要なパワーカラーなのだと書いてあった。確かに、歴代のクローゼットを振り返ると、グレー、薄紫、白、黒、黄と、なんとなく色のマイブームがあったことを思い出す。
オーラの色と服の色って関連あるのかしら? なんて考えてみるとおもしろい。それはともかくとして、仮に、生きていく中で、考え方や思想なんかが変わったら、着るものも変わっていくのは当然だと思った。
それには、転職したり、あるいは付き合う人が変わったりと、外部環境の変化が関連しているのは言うまでもないけれど、周囲の素敵だなと思う人の格好をあらためて思い浮かべてみると、だいたい “着たきり雀” であることに気づく。いや、実際はちゃんと毎日着替えているのだけれど…、アイテムに一貫性があるからそう見えるのだ。つまりは服装も人柄もどっしりブレずに安定しているという意味でもある。もちろん、そういう方々も、周期的に変化はしているはずで、久しぶりに会うと、すっかり印象が変わったな、と驚く場合も少なくない。もちろんその変化はだいたい好印象で、「ああ、会わない間に、何かがアップデートされたんだな」と思うことにしている。

話を自分自身のことに戻すと、思えばここ数年、わたしも変化の渦中だった。信じていたものや、大切だと思っていたものが強制的に無くなってしまうこともあり、その時はただ呆然となったけれど、時間が経つにつれて喪失感は和らぎ、あらためて、それらのいくつかを思い返すと、手放したくないと思っていたことがじつは単なる思い込みであったと気づく。いざ無くなってみれば、意外と肩の荷が下りたように楽になった、ということは案外多い。そして、先日、湿疹デトックスしたこともあって、今、わたしのからだは最高に軽い。

「よわい40を過ぎたら…」のあの言葉は、「人間40年も生きてれば、着るものくらい変わるもんよ」と言い換えられるのかもしれない。人生、なんやかんや目の前にハードルが置かれるからこそ、もがきながらもそれを乗り越えようとみな例外なく奮闘するわけで、無事に壁を乗り越えることができた暁には、切り傷、擦り傷の1つや2つできていても当たり前。皮の1枚や2枚べろんと剥けていてもおかしくない。

ひと肌脱ぐ、なんて、昔の人はうまいことを言ったもの。クローゼットのカオスも、成長の証と思えば快いものだ。というわけで、とりあえずメルカリ、ラクマ、ジモティーにアカウントを作りました。

つるやももこ

つるやももこ

女子美術大学グラフィックデザイン専攻卒。
在学中より制作していた私家本をきっかけに、2000年より全日空(ANA)機内誌『翼の王国』編集部で取材・執筆・編集の仕事に就く。


2006年独立後、フリーランスとして「旅とひと」をテーマに執筆、寄稿。女性誌や企業誌、フリーペーパー、単行本などの編集に携わる。


身近な人の体調の変化や病に寄り添った経験から、こころとからだは切っても切り離せないものだと実感。2018年、日高しゅうの協力を得てHōʻailonaを立ち上げる。

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