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Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯19 / 日高しゅう

『Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi(ナー オーレロ リイリイ)』、ハワイ語で「ちいさなことばたち」。
ハワイでは言葉に「マナ」と呼ばれる神聖な力が宿っているとされています。
素朴だけれど、奥が深い、知るとちょっとしあわせになるハワイの言葉をご紹介します。

Mauna(マウナ)山/マウイ島編

前回に引き続き、Mauna(マウナ/山)がテーマ。今回はマウイ島の山をご紹介します。

Haleakalā(ハレアカラー)

Photo by Kristen Sturdivant on Unsplash

マウイ島といえば、ひょうたんのような形のマウイ島の東側、真ん中あたりに位置するHaleakalāHale(ハレ/家)a(ア/英語のofの役割。所有を表す)ka(カ/定冠詞)(ラー/太陽)で、「太陽の家」の意味です。

Haleakalāの西側の麓、Kula(クラ)にはラベンダー畑が広がっていて、Made on Mauiのエッセンシャルオイルはファーマーズマーケットでも購入できるので、お土産にオススメです。

マウイのファーマーズマーケットで、エッセンシャルオイルを物色中。

このHaleakalā、半神半人の神Māui(マーウイ)の伝説で知られています。

太古のハワイでは、太陽は素早く動き、月はゆっくりと動いていたため、昼が短く夜が長かったのだそうです。Māuiの母は月の女神Hina(ヒナ)。HinaMāui以外に、Molokaʻi(モロカッイ/モロカイ島) 、Lānaʻi(ラーナッイ/ラナイ島)の母とされています。(神話によって諸説あり。)Hinaは樹皮から作る布Kapa(カパ/またはTapaタパ)作りの名人で、材料となる樹皮を乾かそうにも昼が短すぎることを嘆いていました。それを聞いたMāuiはハレアカラの山頂に登り、太陽を捕まえ、夏の6ヶ月の間は昼を長く、冬の6ヶ月の間は昼を短くすることを約束させたのだそうです。
この神話も、島や地域によって異なるので、調べて比べてみるのもおもしろいですね。

ところでマウイ島の名前、このMāuiから取られたのではないそうです。
ハワイを発見したとされる伝説上の人物Hawaiʻiloa(ハヴァイッイロア)の息子Maui(マウイ)から名付けられたそう。発音も “マウイ” と “マーウイ” で違いますね。ちなみに他に息子のKauaʻi、娘のOʻahuがいて、それぞれの名前の島に定住したのだそうです。

 

Mauna Kahalawai(マウナ・カハラヴァイ)

一方マウイ島の西側に位置するのが、Mauna KahalawaiThe West Maui Mountains(西マウイ山)とも呼ばれ、ひとつの山だけでなく、この地域の山々を指します。(Mountainsと複数形になっていますね。)

この一帯で一番高いのがPuʻu Kukui(プッウ・ククイ)。Puʻu(プッウ)は「山」や「丘」など、隆起したものを指すことば、Kukui(ククイ)はククイナッツで、ククイの木がたくさんあることからこの名がついたそうです。

マウイ島は、「Valley Island(渓谷の島)」という愛称で呼ばれていますが、Mauna Kahalawaiにも多くの渓谷があります。

有名なのは、ʻĪao(イーアオ渓谷)。マウイ島出身の歌手でKumu HulaKealiʻi Reichel(ケアリイ・レイシェル)の『Kauanoeanuhea(カウアノエアヌヘア)』は、このʻĪaoが舞台となっています。
Kauanoeanuheaは、Ka(定冠詞) ua noe(霧雨) anuhea(冷たい・高地の森の優しい香り)。「高地の森の香りを運んでくる、冷たい霧雨」といったところでしょうか。Kealiʻiが作ったことばだと聞きました。



ʻĪao
渓谷周辺は王家の墓地とされており、王族の遺体はひっそりと埋葬されました。というのも、王族は神々の血を引いていて、特別なMana(マナ/超自然的な力)を持っており、その力が骨や髪に宿ると信じられていたから。盗掘を防ぐために、埋葬した場所は誰にも知らされませんでした。

ʻĪaoにはKānehoa(カーネホア)またはThe ʻĪao Needle「イアオの針」と呼ばれる切り立った大きな岩があります。その高さは約370mで、なんとエッフェル塔より高いのだとか。

さて、先ほども登場した半神半人の神Māuiには、ʻĪaoという名の娘がいました。ʻĪaoはやがて半魚の神Puʻuokamoa(プッウオカモア)と恋仲になりますが、Māuiは二人の関係に猛反対。Māuiの怒りの叫びは、ハワイ島にいたPeleの元にまで聞こえてきたそうです。Puʻuokamoaの友人だったPeleʻĪaoと一緒に命だけは助けてくれるようにMāui懇願し、Puʻuokamoaは命は奪われませんでしたが、岩に姿を変えられてしまい、その岩がKānehoaなのだそうです。

同じくKealiʻi Reichelの楽曲『Maunaleo(マウナレオ)』は、母の愛をMauna Kahalawaiにある小さな山Maunaleoに例えています。

 

マウイ島の山についてはここまで。
次回はまた他の島を。

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日高しゅう

日高しゅう

1981年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。
イタリア・フェラーラ大学にて、中世美術史を学ぶ。


アロマテラピー業界およびIT企業で広報として勤務後、2017年、語学と文化を学ぶため、ハワイに留学。ハワイ島のロコからハワイ語を学ぶ。


ハワイ各地を旅し、帰国後、つるやとともに『Hōʻailona』を立ち上げる。
入門者向けのハワイ語講座講師としても活動。

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