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栄養と料理・編集長ノート ♯9 / 浜岡さおり

女子栄養大学出版部発行の月刊誌「栄養と料理」の現役編集長による連載。日々更新されている栄養や健康に関する情報や、料理レシピにまつわるあれこれを、編集長の日々とともに綴っていきます。

11月14日は世界糖尿病デー

栄養と料理11月号 | ホーアイロナ

 

赤と緑のスイカ祭りから一転、近所の八百屋の軒先には梨やぶどうが並び、秋らしいトーンになってきました。
さて、さまざまな病気に関して疾患啓発のイベントがありますが、11月14日は「世界糖尿病デー」。この日は「世界に拡がる糖尿病の脅威に対応するため」に1991年に制定されたとのこと。くわしくはサイトに示されていますが、そんな関係もあって、『栄養と料理』では、11月号で糖尿病にまつわる特集を組んでいます。

日本の患者数はどれくらいなんだろう?と思われた方は、厚生労働省の「日本人の健康・栄養調査」をごらんください。これは病院で治療中の人以外も含めた人数を推計したもので、調査に協力してくれた人の血糖値の検査結果をもとに算出されています。平成29年の報告で「糖尿病が強く疑われる者」は男性18.1%、女性10.5%。加齢に伴って比率が高くなり、70歳以上では男性25.7%、女性19.8%となっています。ちなみに、人数でいえば平成28年の報告で約1000万人(おおざっぱにいって、東京都の人口と同じくらい)とされ、推計を始めた1997年から右肩上がり(高齢化の影響もある)。MSDマニュアルの糖尿病の項には「うわっ」となるくらい、いろんなことが書いてあって複雑な病気なんですが、要は「放っておくとエライ目に遭う」ということだけ、しっかり覚えておくとよいでしょう。

甘い物の食べ過ぎ=糖尿病?……ではない。

栄養と料理11月号3 | ホーアイロナ

かぼちゃは、いわゆる「野菜」の仲間ですが、糖質が多いので、血糖値が高い人は「食べる量」に注意が必要。

ところで、自分の糖尿病リスクがどれくらいか、ご存じですか? 会社や地域で行なわれる健康診断や人間ドックなら「ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)」、献血なら「グリコアルブミン値」によって、血糖値の状態を知ることができます。
糖尿病の進行にはあまり自覚症状を伴わないので、「なんかちょっと具合が悪いかも」と感じるころには、立派な糖尿病になっていたりします。「糖」がつく名称から、なにか甘いものを食べ過ぎるとかかっちゃうのかなと誤解されることもありますが、そうでもないんですね。遺伝やほかの病気の影響、食生活や活動量、睡眠などの生活習慣等が絡み合っていて、原因は単純ではありません。
糖尿病というのは、健康であればコントロールされている体の機能が乱れることで「血管をいためる成分を含んだ血液が体じゅうをめぐっている状態」になります。放っておくと血管がダメージを受けるので、体のすみずみまで栄養が行き渡らなくなったり、毒素を回収できなくなり、その結果、目が見えなくなったり、傷が治りにくくなって足を切断……なんてことが起こり得ます。

 

血糖値と家族の病歴をチェック!

糖尿病は遺伝の影響が大きい病気の1つです。特に近い家族が何人も糖尿病になっていたとしたら、早めに自分の血糖値を確認し、医師に相談しましょう。また、大人だけの病気ではなく、成人する前の子どもが発症することもあります。遺伝があったとしても、生活習慣を整え、定期的に医師のチェックを受けていれば、健康な人と同じように働いたり、生活を楽しむことができます。
糖尿病になると、食べたいものをがまんしないといけないイメージがあるかもしれません。たしかに、血糖値のコントロールのためには「量」を考えなければならない食べ物はあるので「おなかいっぱい●●を食べたい」「毎日、●●を食べまくる」という願いは残念ながら叶いませんが、食物アレルギーのように命の危険があるから絶対ダメ!という食べ物は無いともいえます。

栄養と料理11月号2 | ホーアイロナ

甘いものばかり食べている人が糖尿病になるわけではありませんが、甘いものをたくさん食べてしまうと、ほかの必要な栄養素をとる前に“おなかいっぱい”になってしまうのが問題です。

 


『栄養と料理』11月号では、血糖コントロールに役立つ食事や運動の情報を特集しました。「血糖値が高い人」だけでなく、血糖値が高くない人が実践しても健康維持に役立つ内容です。転ばぬ先の杖として、ぜひご活用ください。


★10月9日発売「栄養と料理」2019年11月号の特集は、「血糖値が高い人の食事と運動」。全国書店ならびにAmazonにて。

浜岡さおり

浜岡さおり

1974年生まれ。長野県出身。
大学で栄養学を中心とした食と健康にまつわる様々な学問に触れる。


女子栄養大学出版部で書籍と雑誌の編集に携わること20年超。


現在、月刊誌『栄養と料理』編集長。特に中高年に向けて、生活習慣病を防ぐ食生活や健康管理に役立つ情報を発信している。


ガールスカウト出身。自然に親しみ尽くした若き時代の反動か、現在は都内マンションでアーバンライフ?を送る。食べることが好き。テニスも好き。

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