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Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯20 / 日高しゅう

『Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi(ナー オーレロ リイリイ)』、ハワイ語で「ちいさなことばたち」。
ハワイでは言葉に「マナ」と呼ばれる神聖な力が宿っているとされています。
素朴だけれど、奥が深い、知るとちょっとしあわせになるハワイの言葉をご紹介します。

Mauna(マウナ)山/カウアイ 島編

Mauna(マウナ/山)がテーマの3回目。今回はKauaʻi(カウアイ島)の山をご紹介します。

Waiʻaleʻale(ヴァイッアレッアレ)

カウアイ島のことを歌う時に最もよく出てくるのがこのWaiʻaleʻale。山頂付近にある湖の名前であり、山全体を指す名前でもあります。Wai(ヴァイ)は「水」、 ʻAleʻale(アレッアレ)は「波打つ」や「あふれる」、Waiʻaleʻaleで「波打つ水」「あふれる水」といった意味です。

山頂付近は年間を通じてかなりの降雨量で、365日のうち360日は雨とも言われ、地球上で最も雨の多い地域のひとつとして、ギネスブックにも認定されています。
この豊かな水が滝や川となり、カウアイは緑が豊かな島。英語でGarden Island(ガーデン・アイランド)というニックネームがついています。

豊かな水が作る有名な滝のひとつがʻŌpaekaʻa(オーパエカッアナ)。車ですぐ近くまで行ける人気の観光スポットです。ʻōpaeは「エビ」、kaʻaは「転がる」の意味で、エビがたくさんいたことからその名がつきました。

Kawaikini(カヴァイキニ)

Kawaikiniはカウアイ島で一番高い山。
Kawaikinika(定冠詞)、wai(水)、kini「多い」で「たくさんの水」。その名の通り、雨が多いことを表しています。

カウアイ島は火山の島。島の中央あたりに位置するこのKawaikiniWaiʻaleʻaleが、火山活動によって最初に生まれたとされています。

「太平洋のグランドキャニオン」と呼ばれるWaimea Canyon(ワイメア・キャニオン)は、KawaikiniWaiʻaleʻaleの間に位置し、豊かな雨と風による侵食で、現在のような姿になったのだそうです。

ワイメアキャニオン | ホーアイロナ

訪れた日はあいにくの曇りでした。

Nounou(ノウノウ /Sleeping Giant)

ノウノウ山(スリーピングジャイアント)3 | ホーアイロナ

Sleeping Giantの麓。

トレッキングコースとして人気のNounou。その形状から、「Sleeping Giant(眠れる巨人)」とも呼ばれます。この巨人、その名をPuni(プニ)と言い、いろんなバージョンの伝説が残っています。

ノウノウ山(スリーピングジャイアント)1 | ホーアイロナ

Nounou山のトレッキングコースの入り口に続く小道。

そのひとつには、ハワイ各地に存在していたとされるMenehune(メネフネ)が登場します。オアフ島からカウアイ島に軍隊が攻めてきたとき、困ったMenehuneたちは眠っているPuniを起こそうと石を投げたそうです。跳ね返った石に撃退されてオアフ軍は帰っていきましたが、Puniはいくつかの石が喉に詰まって死んでしまいました。かわいそうな話…

ノウノウ山(スリーピングジャイアント)2 | ホーアイロナ

Nounou山の中の道。Lauaʻe(ラウアッエ)の葉を少しいただきました。

さて、これら3つの山はすべて、フラを習っている方にはおなじみの、『Oli Kāhea(オリ・カーヘア)』というchantに登場します。kāhea(カーヘア)は「呼びかける」の意味で、ダンサーがHālauに入室する時に許可を求めるchantです。

 

Kūnihi ka mauna i ka laʻi ē
ʻO Waiʻaleʻale lā i Wailua
Huki aʻela i la lani
Ka papa ʻauwai o Kawaikini
Ālai ʻia aʻela e Nounou
Nalo ka Ipuhaʻa

Ka laulā ma uka o Kapaʻa ē
Mai paʻa i ka leo
He ʻole ka hea mai ē

静けさの中にある切り立った
ワイルアのワイッアレッアレ山。
天に向かってそびえる。
カヴァイキニの水路にかかる板。
ノウノウ の山に遮られ、
イプハッアの丘は隠れている。
カパッアの高知の広大さ。
口を閉ざさないで。
そこにはなんの返答もない。

 

この連載にも度々登場する女神Peleは、ある時ハワイ島から魂だけで旅をし、カウアイ島に住むLohiʻau(ロヒッアウ)と出会います。その後再びハワイ島にある体に戻ったPeleは、妹のHiʻaka(ヒッイアカ)に、Lohiʻauを連れてくるように命じ、Hiʻakaの旅が始まります。
旅の途中、Wailuaで困難に遭遇したHiʻakaが、それでも諦めずに旅を続けるエピソードを詠っています。

このエピソードから、「フラを学ぶにあたり、困難があっても諦めずに努力を続けることで、道が開ける」という意味が込められているのだそうです。

Hiʻakaの旅については、新井朋子さんの書籍『ペレとヒイアカの旅』に詳しく書かれていますので、ぜひ読んでみてください。上記のchantは私が習ったものですが、同じchantの少し違うバージョンの素晴らしい訳が、同著に掲載されています。言い回しはちょっとだけ違いますが、内容は同じですので、こちらもぜひ。

ペレとヒイアカの旅 | ホーアイロナ

ホーアイロナのイベントに新井朋子さんが来てくださったことがあり、お願いしてサインを書いていただきました。以前ご紹介した雨についての本でも著者のKumuでお会いしたこともあり、こういう嬉しい偶然は、ハワイの持つ不思議な力のような気がしています。

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日高しゅう

日高しゅう

1981年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。
イタリア・フェラーラ大学にて、中世美術史を学ぶ。


アロマテラピー業界およびIT企業で広報として勤務後、2017年、語学と文化を学ぶため、ハワイに留学。ハワイ島のロコからハワイ語を学ぶ。


ハワイ各地を旅し、帰国後、つるやとともに『Hōʻailona』を立ち上げる。
入門者向けのハワイ語講座講師としても活動。

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