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Aromaクンクン ♯7 / 原田裕子

カンボジアの旅1

カンボジアは、インドシナ半島の南部、ベトナム、タイ、ラオスに囲まれた東南アジアの国です。熱帯モンスーン気候のこの地には乾季と雨季があります。私がカンボジアを訪れた11月は、丁度乾季に入ったばかりの頃でした。

プノンペンのホテルの窓から外を眺めるとメコン川が流れています。

メコン川といえば、ベトナムというイメージが強い私にとっては、この川がベトナムまで続いていると考えると、何とも不思議な気分にさせられました。この感覚は島国、日本で育った私の感覚なんだと思います。
さて、皆さんはカンボジアと聞いてどんなことをイメージするのでしょうか。
アンコールワットを中心とする遺跡群、ポルポト政権による悲惨な歴史、かつてはフランスの植民地だった国など、さまざまだと思います。
現在のカンボジアはアジア有数の高度経済成長を続けている国で、プノンペンの街にもたくさんのクレーンが立ち並び、新しい高層の建物がどんどん建設されている勢いのある国という一面もあります。国民のほとんどは仏教徒です。王朝の移り変わりによりヒンズー教が中心とされた時代もあったようですが、現在は上座部仏教が信仰されています。そういう背景が関わっているのか、私はカンボジアの人々は国民性も堅実で穏やかでシャイなイメージを持ちました。とはいえ、後で聞くと女性は案外気が強いらしいのですが……(笑)

プノンペンの街中は混雑しており、アジアでよくみられるバイクに5人乗りなどの風景も至る所でみることができます。一方で走っている車は比較的新しく綺麗なものが多く、そういう意味では貧富の差がまだ大きいのかもしれません。
街の中心地から少し離れると、昔ながらの住宅が立ち並んでいます。多くの家は雨季に合わせて高床式で、庭にはマンゴーやバナナが植えられています。
これはなんだと思いますか。

これは神様をお祀りするところだそうで、庭先に置かれている家も多く、デザインも様々で、とても可愛らしく温かい雰囲気を作り出していました。少し日本の祠に似ているような気もしますね。

さて。
カンボジアではコショウの生産が盛んに行なわれています。
加工されたものはもちろん、生のコショウを塩漬けにしたものなどが売られています。これをチーズにちょっと乗せるとお酒のおつまみには最高です。

また、ヤシもたくさん利用されていて、パームシュガーが売られていたり、サトウキビのように絞って飲んだりもしています。
このミネラル豊富で優しい香りの飲み物は、暑い国で生活するうえで熱中症予防などに役立っているのだと思います。

常夏のカンボジアでは、南国らしく鮮やかな緑が印象的で、訪れた王宮も植物が一杯でした。睡蓮のお花も綺麗に咲いていました。

日本の睡蓮がもっと水面近くに咲くのに対して、暑いこの国で咲く種類は茎が少し伸びているのが特徴です。形状は異なりますが、睡蓮の涼やかで上品な香りは何れも癒されますね。
そしてなんと…
王宮には、イランイランのお花も咲いていました!
私は写真を取り損なったので、同行していたお仲間に頂いた一枚をお借りしていますが、あざやかな黄色が緑に映えますね。
日本ではなかなか見ることができないイランイランのお花、やはり暑いところが似合うようです。

 

王宮内のお寺ではお線香を供えることができました。お線香は竹芯香と言われる形状で、香りはほのかでナチュラルな感じのものでした。
控えめなその香りは、カンボジアの人々のイメージとも重なりとても心地よいものでした。

カンボジアでアロマテラピーが流行っているとは感じませんでしたが、野菜や果物がとても豊富で、オーガニックのハーブティーなどもお手頃価格で売られています。ハーブボールも至る所で見かけましたし、また、シェリムアップには安価にトリートメントを楽しめるサロンもずいぶんできていました。最近、シェリムアップ(カンボジア北西部の都市)には、ヨーロッパの観光客が長期滞在するようになったためスパやサロンが増えたようです。
セラピーとして使用する目的ではないかもしれませんが、カンボジアはとても香り豊かな国で、先ほどお話ししたコショウや、パクチー、コリアンダーなど香りのあるものが料理にもたくさん使われていて、精油もジャスミンやスパイス系のものなど街中や空港などで売られています。
カンボジアでは、香りが贅沢なもの、お洒落なもの、流行りのものというカテゴリーではないところで存在しているように感じました。私は、身近な暮らしの中で香りが当たり前にあることに羨ましいような気持ちになりました。

カンボジアで過ごした時間は、豊かな暮らしというものは、お金がある人があらゆるものを購入できるということではなく、身近なところに健康的でエネルギーあふれるものがたくさん存在すること、そんな風に考えさせられる時間でした。

次回に続く

原田裕子

原田裕子

香司 / アロマセラピスト / 香りアドバイザー
会社員を経て、好きが高じて香りの世界へ。


調香、アロマテラピーと西洋の香りから始まり、現在は日本の香りを作る香司としても活動。


自然の恵みである香りを消費するばかりではない、"サステナブルな"香りのある暮らしを提案している。

法人向けに、オリジナルの香りの開発も行う。

原田裕子

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