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栄養と料理・編集長ノート ♯11 / 浜岡さおり

女子栄養大学出版部発行の月刊誌「栄養と料理」の現役編集長による連載。日々更新されている栄養や健康に関する情報や、料理レシピにまつわるあれこれを、編集長の日々とともに綴っていきます。

「お酒に強くなる」ってどういうこと?

おいしいお酒に料理の誘惑。年末年始はワクワクしつつも、そのあとの変化がちょっと怖いお年頃。

忘年会やクリスマス会、送別会やらなにやら飲み会が増える季節ですね。いつもより食べたり飲んだりが増えると、お酒が飲めない私でも体調管理がむずかしいと感じるようになります。
お酒の飲める人は、お酒に「強くなった」とか「弱くなった」といいますが、あれはどういうことなのか。詳しくは参考文献(※1)をご参照いただくとして、簡単にいうと、「耐性の獲得」と呼ばれる脳の感受性の低下によるものだそうです。つまり、なにかがパワーアップしたという意味ではないんですね。アルコールの影響は、飲む人ほど被る可能性が高くなるので、最初からお酒に強い人も、お酒に強くなった気がする人も、ご注意を。
ちなみに健診などで直前に禁酒すると、検査結果に影響するそうです。わざわざ時間やお金をかけてチェックするのに、「見せかけ」の結果でよいのかなあ? ありのままの状態を受け止める「勇気」を持つことも、健康管理をするうえで大事な要素ですね。

 

肝臓のしくみと肝臓が悪くなる道のり

体の臓器の中で肝臓はいちばん大きいそうで、「体重の約1/50であり、1.0-1.5kg」なのだとか(Wikipedia)。『栄養と料理』は1冊が約400gなので、だいたい3冊分くらい。iPadなら2枚分くらい、大根なら1本くらい……想像できました?

栄養と料理3冊で1.2kgでございます。これと肝臓が同じくらいの重さなのか~……。

私にとっては「わりと重い」と感じる重さですが、これがおなかの真ん中にくっついているんですね。右ひじを折っておなかに当てると、ちょうど肝臓をホールドしているような格好になりますが、肝臓は肋骨の下にあるので、「肝臓をさわっている」という感覚はない。肝臓は“沈黙の臓器”といわれるように、大きく変化が生じるまで「助けて―!」とはいいません。大事な物質を作ったり、解毒をしたり、黙々と働いて体を守ってくれています。

脂肪肝からの、肝臓がん

  「脂肪肝」といわれても、あまり怖くないかもしれませんが、「肝臓がん」といわれると、怖く感じませんか? この2つは別物ではなく、つながっていることに注目です。間に「肝硬変」と呼ばれる状態が入りますが、脂肪肝から先の肝硬変に至ると、そこから運動・食事などを気をつけても、元どおりのつるつるプルプルの肝臓には戻すことができないってこと。旅先で「道を間違えたらエライところに着いちゃったよ!」という失敗談は多少なりとも経験があるかと思いますが、うっかり着いた場所から家に帰れなくなっちゃうなんて、コワイですよね。でも「脂肪肝」からなら帰れるそうです。脂肪肝はお酒だけが原因ではなく、食べ過ぎても起こりうること。飲む人も、飲まない人も、「脂肪肝」と診断されら、そのときがチャンスと思って行動しましょう。

体の定点チェック、していますか?

健康診断を毎年受けていたとしても、それは365日のうちの1日のこと。体の調子は朝と夜でも違うし、季節によっても変わります。なにが「いつも」なのか、変化があったら、それはいつからなのか。意識していないとすぐに忘れてしまうんですよね。
裏紙にメモをしたり、アプリを使ったりと、私自身は紆余曲折ありますが、今は小誌の付録とスマホに記録しています。

【体調の点検方法と、記録の仕方】

  • 体温:目覚まし機能付きで、機器の本体に履歴が残るものを使用。必要に応じて参照。
  • 体重、体組成、体調:スマホのメモ帳に箇条書きで記入(だいたい傾向がつかめているので、計測は1~2日おき)。
  • 活動量:以前はスマートウォッチを使用していたが、だいたい傾向がつかめたので今はスマホのみ。必要に応じて確認。
  • 睡眠:スマホについている機能を利用。理想的な睡眠時刻の1時間前にお知らせが届く。睡眠時間は自動的に記録される。
  • 排便:毎日記録していたことがあり、傾向がつかめたので今は変化があったときだけメモか健康カレンダーに記入。

栄養と料理2020年1月号の別冊付録の健康カレンダーはこんな感じ。マンスリーで、体組成や排便、運動の記録欄つき。

 


※1 樋口進「アルコールの吸収と分解」e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-02-002.html


栄養と料理』1月号では、おせち料理とあわせて「脂肪肝」について特集しました。また、「減塩おかずのレシピ集&健康カレンダー」という別冊付録つきです。仕事や遊びの記録をする手帳とは別に、自分の体との対話記録としてご活用いただければ幸いです。


★12月9日発売「栄養と料理」2020年1月号の特集は、「プロの技に学ぶ おせち料理」。全国書店ならびにAmazonにて。

浜岡さおり

浜岡さおり

1974年生まれ。長野県出身。
大学で栄養学を中心とした食と健康にまつわる様々な学問に触れる。


女子栄養大学出版部で書籍と雑誌の編集に携わること20年超。


現在、月刊誌『栄養と料理』編集長。特に中高年に向けて、生活習慣病を防ぐ食生活や健康管理に役立つ情報を発信している。


ガールスカウト出身。自然に親しみ尽くした若き時代の反動か、現在は都内マンションでアーバンライフ?を送る。食べることが好き。テニスも好き。

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