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Body Journey〜からだつれづれ #16/つるやももこ

編集室Blog。日々の出来事と共に、からだに関する考察や情報を綴ります。

わたしたちは自然のなかの一部である


先日、とある研究者の方にお会いしました。
その方は、もうかれこれ半世紀以上を、生物の営みの探求に費やしています。

生き物の誕生から38億年。最初の最初はたったひとつの遺伝子から生命の歴史は始まりました。食物連鎖というと、三角形のピラミッドがすぐに頭に浮かぶけれど、生命の歴史からすれば生き物に上下はない。生命の壮大な歴史を絵巻のようにとらえれば、ヒトは新参者であり、その絵巻のなかのほんの一部でしかないのです。
その方は言いました。

「それをいつのまにか忘れてしまっていませんか?」

そんな話を聞きながら、わたしの脳内にはとある童謡がずっと流れていました。

手のひらを太陽に(作詞/やなせ・たかし、作曲/いずみたく)

だれでも一度は歌ったことがあるはず。
ミミズ、オケラ、アメンボ、トンボ、カエル、ミツバチ、スズメ、イナゴ、カゲロウ、
みんな生きている。
もちろん、もっと小さな小さな虫たちも、水中や土の中に生きる目には見えない原生動物も、道端に生えている植物だって、みんな生きている。

わたしは学者や研究者ではないから稚拙な表現しかできませんが、つまりはこの世には知り得ないほどの命が存在する、ということです。そしてその知り得ないほどの命とヒトの命は、生命の歴史においては同等の価値基準で生かされているということ。

春、うつくしい季節は着々とめぐりつつありますが、今、ヒトは疲弊しています。
ウィルスが生物であるかは研究者によって見解が分かれるということですが、彼ら(仮に一人称として)が、ヒトを媒介に選んで増殖をしているということについて、そしてこの間の蔓延の勢いについて考えるとき、わたしは先の研究者の方の言葉が思い浮かびます。

わたしたちは自然のなかの一部である。
「それをいつのまにか忘れてしまっていませんか?」

マスク、手洗い、うがいは、予防という点で不可欠、すごくすごく大切です。
でも同時に、排除するべき対象について過剰な敵意と恐怖を持つ前に、あらためて、感じておきたい言葉、これからのヒントをもらったように感じています。

つるやももこ

つるやももこ

女子美術大学グラフィックデザイン専攻卒。
在学中より制作していた私家本をきっかけに、2000年より全日空(ANA)機内誌『翼の王国』編集部で取材・執筆・編集の仕事に就く。


2006年独立後、フリーランスとして「旅とひと」をテーマに執筆、寄稿。女性誌や企業誌、フリーペーパー、単行本などの編集に携わる。


身近な人の体調の変化や病に寄り添った経験から、こころとからだは切っても切り離せないものだと実感。2018年、日高しゅうの協力を得てHōʻailonaを立ち上げる。

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