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Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯8 / 日高しゅう

『Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi(ナー オーレロ リイリイ)』、ハワイ語で「ちいさなことばたち」。
ハワイでは言葉に「マナ」と呼ばれる神聖な力が宿っているとされています。
素朴だけれど、奥が深い、知るとちょっとしあわせになるハワイの言葉をご紹介します。

Hula(フラ)/Hula Kahiko(フラ・カヒコ)

ハワイの文化について語るときに、切り離せないのがHula(フラ)。
読者の皆さんの中にも、フラを習っていたり、関心がある方は多いのではないでしょうか。ひょっとしたら先生もいるかもしれませんね。

まずHula(フラ)という言葉の意味ですが、いわゆる踊りだけでなく、楽器の演奏、OliMele(いずれも後述)のすべてが含まれます。言語としては、「フラダンサー」の意味もあります。

フラの教室のことをHula hālau(フラ・ハーラウ)と言いますが、カヌーWaʻa(ヴァッア)をしまっておくための細長い小屋Hālauで練習をしたことからきています。最初はオープンなスペースだったものが、教えを守るために現在のような閉ざされた空間になっていきました。

フラの先生は、Kumu hula(クムフラ)。Kumuは「基礎」「礎」といった意味です。
生徒はHaumana(ハウマナ)またはHaumāna(ハウマーナ)。ハワイ語は基本的に単数複数で形は変わりませんが、この単語はイレギュラー。単数だとHaumana(ハウマナ)、複数だと長音が入ってHaumāna(ハウマーナ)となります。

Kumu hulaの補助をしたり、Kumu hula不在のときなどに代わってHaumānaを指導するリーダーを、Alakaʻi hula(アラカッイ・フラ)と言います。Alakaʻiは「導く」とか「案内する」という意味です。

ʻŌlapa(オーラパ/フラダンサー)はHula hālauの中でも若いメンバーで、ダンサーのこと。ʻŌlapaはハワイ固有の植物で、その葉が風で揺れる様がフラダンサーに似ていることが語源となっています。小さな楽器を持って踊ることもあります。

ベテランになってくると、大きな楽器を演奏してテンポを取ったりチャンティングをするHoʻopaʻa(ホッオパッア)になります。Hulaの中でも責任の重い役割です。

Hulaは、Kahiko(カヒコ)とʻAuana(アウアナ)の二つに分けられます。

まずはKahiko
いわゆる古典フラで、伝統的な楽器による演奏やMeleに合わせて踊ります。

「昔の」とか「古い」を表すKahikoには、「原始の」や「初期の」といった意味もあります。フラのことを指す場合、Hula kahikoというのが言語的に正しい表現です。

もともとフラは、古代ハワイアンの祈りの場であるHeiau(ヘイアウ)などで、神様に捧げられていました。Heiauでフラを間違えることは、祈りを無効にするだけでなく災いをもたらすとされていたため、その修行はとても厳しいものだったそうです。

Hula Kahikoには、決まった様式があります。

Kaʻi(カッイ)

フラダンサーたちが入場することを言います。言語としての意味は、「導く」「持ち上げる」「運ぶ」などがあります。

② Oli(オリ)

踊りを伴わない詠唱(チャンティング/祈りを唱えること)。ハワイの文化はもともと文字を持たない口頭伝承だったため、神話や王族の歴史、家系などがOliで伝えられました。
Hulaでは踊る前に唱えられます。Oliには様々な形があり、そのスタイルは続くMeleによって変わります。

代表的なものは以下の通りです。

Kepakepa(ケパケパ)すべての音節がはっきりと発音された、早口で長いフレーズを唱える会話調の詠唱法。

Olioli(オリオリ)最後の母音を伸ばして感情を込める旋律的な詠唱法。

Kāwele(カーヴェレ)はっきりした発音のスタイル。Kepakepaに似ているが、やや遅い。

Hoʻouēuē(ホッオウエーウエー)泣いているような詠唱法。

Hoʻāeae(ホッアーエアエ)元の単語の母音に、さらに余分な母音が追加されたような発声をする詠唱法。

③ Mele(メレ)

踊りを伴った詠唱。

Mele Pule(メレ・プレ)祈りのMele

Mele kuahu(メレ・クアフ) 祭壇Kuahu(クアフ)に捧げるMele

Mele kanikau(メレ・カニカウ)悲しみや嘆きを歌ったMele。哀悼を表す。

Mele hoʻoipoipo(メレ・ホオッオイポイポ)恋を歌ったMele。と言っても英語でいうと “make love” で、意味深な歌詞が出てきます。

Mele inoa(メレ・イノア)inoaは「名前」。特定の人物に捧げるMele

Mele maʻi(メレ・マッイ)maʻiは「生殖」や「性器」の意味。生殖能力や子孫繁栄を讃えるMele

④ Hoʻi(ホッイ)

フラダンサーたちが退場していくこと。英語の “come back(帰る、戻る)” という意味があります。

 

Mele maʻiが子孫繁栄のMeleとご紹介しましたが、ハワイでは王族や酋長たちの生殖器に名前が付けられ、家系が続いていくことを讃えられました。

Hālala(ハーララ/特大の、大きすぎる)Kalākaua(カラーカウア/カラカウア王)の生殖器

Kūnuiākea(クーヌイアーケア/「立つ」、nui「大きい」ākea「広い」)Kamehameha(カメハメハ大王)の生殖器

ʻAnapau(アナパウ/跳ね回る)Liliʻuokalani(リリッウオカラニ妃)の生殖器

 

それぞれになかなかすごい名前がついていますが、なんだかユーモラスでもあります。

さて、次回はもうひとつのHulaʻAuanaにまつわる言葉たちをご紹介します。

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日高しゅう

日高しゅう

1981年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。
イタリア・フェラーラ大学にて、中世美術史を学ぶ。


アロマテラピー業界およびIT企業で広報として勤務後、2017年、語学と文化を学ぶため、ハワイに留学。ハワイ島のロコからハワイ語を学ぶ。


ハワイ各地を旅し、帰国後、つるやとともに『Hōʻailona』を立ち上げる。
入門者向けのハワイ語講座講師としても活動。

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