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Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯9 / 日高しゅう

『Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi(ナー オーレロ リイリイ)』、ハワイ語で「ちいさなことばたち」。
ハワイでは言葉に「マナ」と呼ばれる神聖な力が宿っているとされています。
素朴だけれど、奥が深い、知るとちょっとしあわせになるハワイの言葉をご紹介します。

Hula(フラ)/Hula ʻAuana(フラ・アウアナ)

ワイキキのハレクラニでは、毎晩ハイレベルなダンサーによるショーを楽しむことができます。

前回に引き続きHulaにまつわる言葉をご紹介します。

今回はHula ʻauana(フラ・アウアナ)。ʻAuanaは「さまよう」や「あちらこちらに移動する」という意味があります。
日本語では現代フラなどと言われ、一般的にイメージされる、柔らかく優雅なダンスです。

Hula ʻauanaは19世紀以降に西洋文化の影響を受けて発展したスタイル。
ハワイ語の曲はもちろん、英語のHapa haole(ハパ・ハオレ)ソングと呼ばれる英語のハワイアンソングもたくさん作られました。
Blue Hawaii」や「Beyond the Reef」、「Lovely Hula Hands」「Sophisticated Hula」など、一度は耳にしたことがあるかと思います。

Hapa(ハパ)は「部分」や「混血の」、Haole(ハオレ)は、(ハー/息、長く続くもの、先祖)ʻole(オレ/否定の意味)から、「先祖を持たない者」の意味。チャンティングで自分たちの祖先の物語を伝えるハワイアンと違って、祖先のことを知らない、主にアメリカから来た白人のことを指すようになりました。現代では白人との混血の人々に対しても使います。

余談ですがこの言葉、日本語で言う「外人」のような差別的なニュアンスがあるとして、最近では社会問題にもなっているそうです。

一方で、ハワイアンのことはKanaka maoli(カナカ・マオリ)。Kanaka(カナカ)は「人間」、Maoliは「本来の」とか「本物の」、「土着の」という意味です。
Kamaʻāina(カマッアーイナ)はKama(カマ/子ども) ʻĀina(アーイナ/土地の)で、もともとは「その土地で生まれた者」を意味する言葉でしたが、今はハワイ出身でなくてもハワイに住んでいる人のことを指して使われています。

ハワイ島の有名なHula HālauHālau o Kekuhi(ハーラウ・オ・ケクヒ)を継承する一族のファミリーネームはKanakaʻoleと言いますが、Kanakaʻoleがつくことで、「人ではない」という意味になります。女神ペレの踊りを継承する一族とされ、Hālauは女系で受け継いでいるのだそうです。

彼らが踊るのは、Hula Kahikoのみ。Hula ʻauanaは踊りません。コンペティションには参加しませんが、フラの競技会・Merrie Monarch Festival(メリー・モナーク・フェスティバル)の前夜祭などでパフォーマンスを観ることができますよ。

私はオアフ島で行われるPrince Lot Hula Festival(プリンス・ロット・フラ・フェスティバル)でHālau o Kekuhiを観ることができましたが、30分以上休みなしで行われるHula Kahikoは圧巻でした。

プリンス・ロット・フラ・フェスティバルは毎年7月に開催されるイベント。競技ではなく、芝生に座ってのんびりとフラを鑑賞することができます。合間にはロイヤル・ハワイアン・バンドの演奏も。

1970年代、ハワイアン・ルネッサンスと呼ばれる文化復興運動が起こります。その流れの中で、英語のHapa haoleソングは次第に作られなくなり、ハワイ語の曲が多く作られるようになっていきました。

Hula ʻauanaで使われる楽器には特に決まりはなく、自由に演奏して踊ることができます。

代表的な楽器は、ʻUkulele(ウクレレ)。ポルトガルからの移民が持ち込んだMachete(マシェーテ)という楽器が元になっているそうです。
ʻUku(ウク)は「ノミ」、 Lele(レレ)は「飛び跳ねる」。
マシェーテを演奏する人の指の動きが、まるでノミが飛び跳ねているように見えたことからʻUkuleleと呼ばれるようになりました。

ハワイで購入した私のウクレレは、三ツ葉楽器のもの。日本のメーカーですが、ハワイで生産しているそう。たくさん試して、持った時のフィット感と音色が気に入ったものを選びました。

最後に、Kumu hula Leialoha Lim Aminaの講義で教わった話。

MeleがなければHulaはない。Haku mele(ハクメレ/作曲家)がいなければMeleはない。Moʻolelo(モッオレロ/物語)がなければHaku meleMeleを作れない。」

「すべての源はMoʻoleloであり、Moʻoleloを知ることが欠かせない。そしてHaku meleに敬意を払わなければならない。
どんなに素晴らしい演奏でも、振りに感情がこもっていないと、その良さを殺してしまう。だからダンサーもミュージシャンも、物語を理解する努力をしなければならない。」

ハワイの文化を担うKumu hulaの責任を感じさせる、厳しい一面を垣間見ました。

さて、これにてHulaとそれにまつわることばのお話は終了です。
今度ハワイに行った時には、ぜひこの連載を思い出して、Hulaを鑑賞してみてくださいね。

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日高しゅう

日高しゅう

1981年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。
イタリア・フェラーラ大学にて、中世美術史を学ぶ。


アロマテラピー業界およびIT企業で広報として勤務後、2017年、語学と文化を学ぶため、ハワイに留学。ハワイ島のロコからハワイ語を学ぶ。


ハワイ各地を旅し、帰国後、つるやとともに『Hōʻailona』を立ち上げる。
入門者向けのハワイ語講座講師としても活動。

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