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Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi ♯18 / 日高しゅう

『Nā ʻŌlelo Liʻiliʻi(ナー オーレロ リイリイ)』、ハワイ語で「ちいさなことばたち」。
ハワイでは言葉に「マナ」と呼ばれる神聖な力が宿っているとされています。
素朴だけれど、奥が深い、知るとちょっとしあわせになるハワイの言葉をご紹介します。

Mauna(マウナ)山/ハワイ島編

ハワイといえば、海 Kai(カイ)、そして山 Mauna(マウナ)。今回はハワイ島の5つの山について、お届けします。

Mauna Kea(マウナ・ケア)

雪が積もるマウナ・ケア。

以前ハワイ各島のシンボルカラーと植物をご紹介しましたが、各島にはシンボルとなる山もあります。

ハワイ島の象徴は、Mauna Kea(マウナ・ケア)。Kea(ケア)は「白い」で、Mauna Keaは直訳すると「白い山」。標高4,000mを超え、冬になると山頂に雪が積もることから、この名前で呼ばれています。

もうひとつの語源とされるのが、Mauna Wākea(マウナ・ヴァーケア)。Wākea(ヴァーケア)は、ハワイの島々の父で、空の神様です。語源からもわかるように神聖な山で、以前はAliʻi(アリッイ/首長)や聖職者しか入ることができなかったそうです。

Mauna Keaはまた、Lilinoe(リリノエ)のエピソードをご紹介した際に登場した、雪の女神Poliʻahu(ポリッアフ)の棲家でもあります。

Poliʻahuは、霧の女神雨 Lilinoe(リリノエ )、湖の女神Waiau(ワイアウ)、Kahoupokane(カホウポカネ)の四姉妹。姉妹は皆美しく、特にPoliʻahuはハワイで最も美しい女神とされています。神話には、その美しさに嫉妬したPele(ペレ)が勝負を挑むエピソードがいくつかあるのですが、いつも負けてしまいます。散々傍若無人なことをやりまくるPeleが、唯一勝てない相手なのかも。

ちなみにMauna Kea、実は麓は海の中から始まっており、その部分も含めるとエベレストより高いのだそうです。

 

Kīlauea(キーラウエア)

ハワイ諸島で一番大きいハワイ島は、Mauna Keaを含む5つの火山でできています。

その中で最も活発に活動しているのが、Kīlauea(キーラウエア)。昨年5月にも大規模な噴火がありました。

Kīlaueaにはいくつか火口があるのですが、メインの火口はHalemaʻumaʻu(ハレマッウマッウ)と呼ばれ、火の女神Peleの棲家です。hale(ハレ)は家、maʻumaʻu(マッウマッウ)はʻamaʻu(アマッウ)といううシダのこと。Halemaʻumaʻuで「シダの家」という意味になります。 

Peleは半身半獣の神、Kamapuaʻa(カマプアッア)とくっついたり離れたり、愛憎絡まり合った関係でした。Kamapuaʻaにはシダを自由に操る能力があり、例によって二人が喧嘩をした際に、ペレの棲家の火口をシダで覆ったことからこの呼び名がついたとされています。

火山地帯には、ʻōhelo(オーヘロ)というクランベリーの一種の赤いベリーがなっています。これはハワイの州鳥であるNēnē(ネーネー)だけでなく、Peleの好物。Peleの象徴として、歌詞やチャントに出てくることもあります。

ʻōheloを食べる時には、Peleに許しを得てからでないと火山が噴火すると伝えられていますので、食べる前に心の中で必ずPeleにひとこと断ってくださいね。
ʻōheloに似た違う実で、毒があるものがあるので、自分で摘んで食べないようにしてください。

さて、火山が噴火する際に、緑色の宝石ペリドットが溶岩と一緒に出てくることがあるのだそうです。ハワイ島ではそんなペリドットを、粒状のものは「ペレの涙」、繊維状に細長くなったものは「ペレの髪」と呼んでいます。前回の噴火の際にも、大量に飛んできたそうです。自然は不思議ですね。

 

Mauna Loa(マウナ・ロア)

Mauna Loa(マウナ・ロア)は、Mauna Keaのすぐ隣にある巨大な山。世界一の体積を誇ります。

loa(ロア)は「長い」。「いつも」という意味のmau(マウ)と合わさって、mau loa(マウ・ロア)で「永遠」という意味でよく歌詞に登場します。
その名の通り、Mauna Loaは大きくてなだらか。遠目に見ると丘のような形です。

PelePoliʻahuMauna Loaを隔てて南をPeleが、北をPoliʻahuが支配しているとされているのだそうです。Mauna Loaも、雪が積もることがあります。

 

Hualalai(フアラライ)

ハワイ島の西側に位置するHualalai(フアラライ)には、Poliʻahuの姉妹、Kahoupokaneが住んでいます。Kahoupokaneは、木の皮を編んで布のようにしたKapa(カパ)作りの達人で、Poliʻahuをより美しく飾り立てたのだそうです。

Hualalaiはハワイ語で「恥ずかしがり屋」の意味。方角的にKīlaueaの噴煙が流れてくるので、霧のような火山の煙に覆われていることが多いからだそうです。乾いた風が吹いたり、急に雨が降ったりする特殊な気候を利用して、麓ではかの有名なコナ・コーヒーが作られています。

 

Kohala(コハラ)

Kohala(コハラ)は5つの火山のなかで一番古く、現在は死火山になっています。
Kohalaの一帯、コハラ地区は、カメハメハ大王の生誕地。Kapaʻau(カパッアウ)はカメハメハ像があることで知られています。

コハラのカメハメハ大王像。

地質学的に古い地域で、古代のHeiau(ヘイアウ/神殿)が多く残っています。

私は昨年の夏、この地区にあるMoʻokini Heiau(モッオキニ・ヘイアウ)を訪れる機会がありました。
淡い色の空と広い広い草原に突然現れる巨大なHeiauは、とても神秘的で、昔のハワイに迷い込んだような感覚を味わえました。

ヘイアウそのものの写真は撮っていませんが、こちらはヘイアウから見た海。空と海、緑のコントラストの美しさに驚きました。

ハワイアン・ミュージックの定番で、ハワイ島の美しさを讃える『Hawaiʻi No E Ka ʻOi(ハワイッイ・ノ・エ・カ・オイ)』には、5つの山のうちの3つが登場します。

気になる方はぜひ、歌詞を検索してみてください。

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日高しゅう

日高しゅう

1981年生まれ。東京外国語大学イタリア語学科卒。
イタリア・フェラーラ大学にて、中世美術史を学ぶ。


アロマテラピー業界およびIT企業で広報として勤務後、2017年、語学と文化を学ぶため、ハワイに留学。ハワイ島のロコからハワイ語を学ぶ。


ハワイ各地を旅し、帰国後、つるやとともに『Hōʻailona』を立ち上げる。
入門者向けのハワイ語講座講師としても活動。

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