南インド・サットワ便り ♯7 / Sachi
心をきれいにする習慣
インドで暮らしていると、毎日のように、不思議な偶然に出合います。こちらで生活を始めてから、うれしいことも、悲しいことも、色々な出来事がありましたが、ある時、知り合いの男性から面白い質問をされました。
「あなたは毎日洗濯をする?」
「はい」
「毎日お風呂に入る?」
「そうですね」
「毎日歯をみがく?」
「もちろん」
「心は毎日洗ってる?」
「え」
「どうして心は毎日きれいにしないの?」
その男性は、メディテーション(瞑想)の先生だったのです。確かにそうだと思いました。
瞑想と聞くと、少しとっつきにくい感じがあったり、修行のイメージがあったり、毎日続けるのは難しいと思うこともあるかもしれませんが、“お風呂の時間に、心も洗う”くらいの感覚で、習慣に取り入れるのもいいなと思いました。
〈リラクゼーションガイド〉
目を閉じて、呼吸はゆっくり穏やかに。ゆったりとした気持ちで。
つま先から順番に力を抜いていきます。
足首もリラックスしていて、両足の力を抜いて、息を吐きながら脱力。
ふくらはぎ、ひざ、太もも、力が抜けているのを感じて、おしりもリラックス。
腰、お腹まわりも脱力していて、胸の方へ上がってきて、内臓にも意識を向けて、息を吐くときに全て吐き出す。
背中、肩の力も抜けてきて、首のまわりもゆるゆると解けるような感覚に。
両手の指の先から手のひら、前腕、二の腕、完全に力が抜けてリラックス。
顔もリラックス。
あご、唇、両眼は軽く閉じていて、頭の中もリラックス。
今日一日の出来事や、その時の気持ち、わいてきた感情を、思い返してみる。
「もっとああすればよかった」
「どうしてあんなことを言ってしまったのだろう」
「本当に腹が立つ、許せない」
「ツラくて涙が出る」
「あの人がうらやましい」
「悔しかったなあ」
色々なことを感じている自分の心を眺めてみる。感情に良し悪しをつけるためではなく、誰かを批判するためでもなく、自分を嫌いになるためでもなくて、心を観察するために、ただ、眺める。ただただ眺める。
そのうち、色んな感情をもっている自分のことを、フフッと笑えるようになる頃には、心が軽くなってる。
お風呂でスッキリした体と心をベッドに横たえ究極のリラックスポーズ。
おやすみなさい。
今日も一日お疲れさまでした。
★アーユルヴェーダはWHO世界保健機構でも研究が進められている医療です。
★このページでは、アーユルヴェーダの専門的な療法についてや、ハーブなどの知識をシェアしていきますが、その効果に関しては個人差があります。それは私たちの心と体が1つとして同じものがないということです。
★実践に関しては、専門家の直接指導を必要とするものもあります。現在、専門医のもとで治療・療養中、あるいは体調に考慮が必要な方はご留意ください。
入口幸子
徳島県出身 看護師 1985年生まれ。
南インド・ケララ州在住。
病院で働くという仕事上、生命の誕生と最期の瞬間に立ち会う機会が多く、さらに自身の父・母が、ともに若くして癌で他界するというハプニングに見舞われたこともあり、いつの間にか健康オタクに。病気の症状に特化して治療する医療に疑問を抱いていた中、体と心、精神やスピリチュアリティを含めた人をひとりの人間として、全体の調和を診る自然療法に魅了される。
2015年大学在学中に留学の機会に恵まれ、インド・スリランカ両国の私立・国立病院にて、伝統医療アーユルヴェーダを学ぶ。
自身も10年間抑えていた関節リウマチに対する治療を受け、その効果や自然のエネルギー、自分の中にある自然治癒力を実感する。
欧米諸国・アジアを含め、様々な国から来た学生や患者さんとの出会いの中で、各国の医療事情を知り、誰もが安心して必要な医療を選択できる環境を願うようになる。現在、自然療法医になる憧れを抱きつつ、治療を必要としている人々をサポートする役割として、アーユルヴェーダやヨガを中心としたヘルスツーリズムを展開中。
Ayurveda Wellness Healer
Shivananda Yoga Teacher Training Course 修了