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Aromaクンクン ♯6 / 原田裕子

クラリセージの悲劇

クラリセージ | ホーアイロナ

クラリセージという植物から得た精油は、濃厚で甘く少し癖もあるので好き嫌いが分かれると言われています。また、同じ人であっても月経周期やその時の体調、季節、ストレス度合いなどでその香りの印象が大きく異なり、言い方を変えればとても多面性を持つ魅力的な精油です。

今日はそんなクラリセージの精油で大失敗したエピソードをお話しします。

今から20年程前のこと。アロマテラピー経験も浅い頃のことです。

当時、ひどい月経痛に悩まされていた私は、その日も辛さに耐えながら、アロマテラピーショップの店頭に立っていました。体全身が重く痛みで立っているのもやっと、笑顔もこわばり最悪の状態でした。

ふと、本に月経痛にクラリセージの精油が良いと書いてあったことを思い出しました。既に講師としての活動も始めていた私は、どんなことも体験して伝えたいと考えていました。わずかな使命感と有り余る好奇心、そしてあまりの痛みに我を無くして、ついお昼休憩の時にクラリセージ精油を1滴だけ、内服という暴挙に走ったのでした。(よいこの皆さんは決して真似しないでくださいね。)

体がカーッと温かくなるのを感じました。そしてさらに暴走した私は、まだ続く痛みに鎮痛剤まで追って内服したのでした。こういうことって気がつかないうちにエスカレートするものなんですね。今思うと自己責任とは言え恐ろしいことをしたものです。

それから間もなく、私は嘔吐し、全身の力が抜け、あまりの気持ち悪さに立っていられないという悲劇に見舞われたのです。帰宅した後は玄関で倒れこみました。

精油の内服と鎮痛剤の併用、そんなことしたらダメに決まっています。自業自得って話です。

もちろん、この話、本当にクラリセージを内服したことによる出来事なのか、鎮痛剤との併用により起きたことなのか、それ以外のことなのか、原因は実のところわかってはいません。単に私の体調により起きたことなのかもしれません。

でもこれをきっかけに私は安全に精油を使うことの大切さを身をもって知ったのです。

以前、猛毒を持つことで知られるトリカブトに鎮痛作用があると言う記事を見ました。

効果があるということは同時に毒にもなるということ。その当たり前のことを十分理解したうえで使えば、植物は決して怖いものではなく、私たちの心を和ませ、体を癒し、助けてくれます。

クラリセージの香りも、緊張で体も強張り神経が張り詰めている時に、私たちを深くリラックスさせ、安心させ、幸せな気持ちにしてくれます。ただ、適切に使えばいいだけで、決して危険なものではありません。

アロマテラピーで大切なことは、精油に極端に依存するのではなく、あくまでもサポートとして使うこと、アロマテラピーを実践する以外にも食事や運動など日々の生活で自分の自然治癒力を高める意識を持つこと、精油を不調に用いる場合も、もし治療が必要かもしれないと感じたときにはきちんと医療機関を受診するということです。

そして、これらのことは長く精油と仲良くするコツでもあります。

クラリセージ2 | ホーアイロナ

ちなみに、私のひどい月経痛は子宮内膜症によるものでした。子宮筋腫もみつかりました。腹腔鏡手術で治療を受けた私は後で知ったのですが、35歳を過ぎてからのひどい月経痛は私がそうだったように、子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的なことが原因のことが多いそうです。術後の私は月経痛に悩まされることもなくなり、快適そのものになりました。

アロマテラピー、そして植物の香りは心身の健康に役立つ素晴らしい存在です。しかし、一方で今は、選択肢を自然療法のみと決めつけるのではなく、その都度最も良い選択ができるように、いつも自分自身が柔らかな心を持っておきたいな、と思っています。

原田裕子

原田裕子

香司 / アロマセラピスト / 香りアドバイザー
会社員を経て、好きが高じて香りの世界へ。


調香、アロマテラピーと西洋の香りから始まり、現在は日本の香りを作る香司としても活動。


自然の恵みである香りを消費するばかりではない、"サステナブルな"香りのある暮らしを提案している。

法人向けに、オリジナルの香りの開発も行う。

原田裕子

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